(写真と内容は無関係です)
先日、ISO14001内部監査員の講習に参加しました。内部監査というと「定期的に見回りにやってきて、”実験室が汚い”とお小言を言う」イメージしかなかったのですが、そうではないということを初めて知りました。内部監査、受けたことありますか?
ISO14001:環境マネジメントシステム規定
そもそもISOって何や?と言うと、国際標準化機構(International Organization for Standardization)という国際規格を策定するための非政府組織です。いろいろな規格を決めているのですが、その内のひとつが「ISO14001:環境マネジメントシステム規定」です。・・・何のことかわからないですよね(汗)
シンプルに書くと「書いてある通りにやると、環境保護ができるよ」という規定です。ポイントは3つ。
目標設定
その会社が環境に対してどんな影響を与えているか?その会社に関わる人達(顧客、取引先、周辺住民、・・・)がどんなことを期待しているか?守る必要のある法律は何か?を把握して、環境保護の方針と目標を決める。目標を立てる時は、1.方針と整合している、2.測定できる、3.監視できる、4.伝達できる、の4つを満たし、なおかつ 5.必要に応じて更新する。
PDCA
目標に対して、P(6.計画)D(8.運用)C(9.パフォーマンス評価)A(10.改善)サイクルを繰り返す。
計画;何を実施するか、どのような資源が必要か、誰が責任を有するか、いつまでに完了させるか、どのように結果を評価するか の5項目を決定する。ビジネスとの関連付けも考慮する。
運用;計画の実施+軌道修正
評価;いつ何を評価するかは担当者ではなく組織が決める。評価結果は文書化して保持する。
改善;改善する対象はマネジメントシステム。
アカウンタビリティー(Accountability、説明責任)
Accounting(会計)とResponsibility(責任)の合成語で、はっきり説明できるように行動すること(求められた時に、いつでも帳簿を見せられるイメージ。もちろん不正会計処理は論外)。
全体像が見えてくると、「あーなるほど」「結構使えそう」と思えてきました。でも実際には「定期的に見回りにやってきて、”部屋が汚い”とお小言を言われる」。このギャップはどこから生まれるんだろうと考えてみました。
中身よりも運用できるかどうか
まず思いついたのが「環境保護をする動機が弱い」。環境保護は良いことだとは思いますが、会社に行くのは「働いてお金をもらう」のが目的です。ISO14001には「ビジネスとバランスを取りながら環境を保護する」と書かれていますが、「環境保護をすることでビジネスが上手くいき、お給料が増える」と書かないと広がらないのではと思いました。
二つ目が「結果が見えにくい」。部屋を掃除することと地球環境の改善とを結び付けるのは、自分の貧弱な想像力では難しいです。
そして三つ目が「難しすぎる」。ISO14001規定は、1.適用範囲、2.引用規格、3.用語及び定義、4.組織の状況、5.リーダーシップ、6.計画、7.支援、8.運用、9.パフォーマンス評価、10.改善 の10項目からなります。そして「環境影響」「説明責任」「リーダーシップ」「体系的なアプローチ」「意図した成果」「環境・社会・経済のバランスの実現」・・・と抽象的な言葉のオンパレードです。そもそも分量が多すぎて覚えられない。私には使いこなすのは難しいと思いました。
平易な言葉で伝える
内容はいいのに・・・というのを今回感じたことで、師匠の一人である西森さんに教えていただいた「ひらがなで説明する」を思い出しました。その心は「それくらい簡単に噛み砕かないと、実際に使ってもらえない」。自分のブログ・セミナーもまだまだなので、「より簡単に」を意識して改善していきたいです。
コメント