佐藤賢一著 「ハンニバル戦争」

 佐藤賢一さんの本「ハンニバル戦争」を読みました。紀元前219年から201年にあった第二次ポエニ戦争を舞台にした小説で、主人公は共和政ローマのスキピオ・アフリカヌス。何回も繰り返し読んでしまって時間がなくなりました。

カンナエの戦い

 紀元前219年当時、ヨーロッパでは共和政ローマが強国でした(今のアメリカみたいな感じです)。で、当時の新興国がアフリカに本拠地を置くカルタゴ。目障りに感じたローマは第一次ポエニ戦争でカルタゴを破り、領地と多額の賠償金を奪います。その復讐に燃えるカルタゴの将軍ハンニバルがローマ侵攻を開始する、というところから小説は始まります。

 主人公はローマの名門貴族の御曹司スキピオ。「ローマ最強」と固く信じ、カルタゴの蜂起は簡単に制圧できる、それよりも自分が活躍できるかどうかが大事!と楽観的な感じで開戦を迎えます。が、初戦・2戦と策にはまって敗退。それでも「ローマの方が強い」という思いは変わりません。

 そんな中で迎えたのが「カンナエの戦い」。ローマ軍8万人に対してカルタゴ軍は5万人、真っ向からぶつかる戦場、負けるはずのない戦い、のはずが、気がついたときにはローマ軍はなぜか360°をカルタゴ軍に取り囲まれ、全方位から攻撃されます。結果はローマ軍の戦死者7万人。スキピオは命からがら逃げだします。

敵から学ぶ

 「ローマよりもカルタゴの方が強い」「自分よりもハンニバルの方が遥かに優れている」。受け入れがたい事実を受け入れたところから、スキピオは再出発します。で、やったことが「ハンニバルに学ぶ」。なぜローマがなすすべもなく敗れたのか?どうやったら”ハンニバル”になれるのか?問い続けて、検証し続けて、ザマの戦いでついにハンニバルを破ります。

 外から見ると簡単に分かることが、当事者になるとなかなか見えません。視野を広げるためにまず必要になるのが「事実を認め受け入れること」。最後までのめり込んで読んでしまいました。

お時間のある方は是非読んでみてください(^_^)/


 

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