上橋菜穂子著 「神の守り人」

上橋菜穂子 精霊の守り人シリーズ 神の守り人

 先日、”精霊の守り人シリーズ”の5,6冊目である「神の守り人(来訪編、帰還編)」を読みました。サグ(現実)とナユグが重なる世界を舞台に短槍使いバルサが活躍するシリーズで、今回は”圧倒的な殺戮力を持つ鬼神タルハマヤ”が宿った12歳の少女アスラをめぐる攻防でした。他人を屈服させる力が使えるとしたら、あなたは欲しいですか?

他人を傷つけると不幸になる

 危険すぎるから殺そうとする者と、兵器として利用しようとする者と、力を使わずに普通に過ごして欲しいという者。厳しい環境を生き抜く中で「他人を力と恐怖で屈服させる」ことの魅力にアスラは捉われていきます。「カミサマが悪者を殺した」と思うことで人を殺す罪悪感から目を背けますが、降りかかる血の感触が夢の中で現れ苦しむ。そんなアスラをバルサは「人を恐怖で支配しても幸せになれない」と諭します・・・

恐怖に囚われた人をどうやって救うか

 このシリーズはSFですが、毎回現実とついつい見比べて考えてしまう内容です。今回もテロリストや核兵器、パワハラなど、いろいろなテーマが思い浮かびました。子供の時に読んでいたらどんな大人になったんだろうとつい考えてしまいます。お時間のある方は是非読んでみてください。

「望んでいること」「現状」「やり方」の3つが明確になると、不安は小さくなる。
 そして、「質問に答える」だけで「望んでいること」「現状」「やり方」の3つは明確にできます。
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