こんばんは、自信コーチの阿部洋太郎です。大阪市内の自宅でこの記事を書いています。さて、先週「危険物取扱者」の更新講習に行ってきました。
危険物取扱者とは
火災になった時の消火方法に注意が必要な石油製品や化学薬品の取り扱いに必要な資格です。ガソリンスタンドや化学工業系メーカーなどで必要になる資格で、3年に1回講習を受けて更新します。今回3年ぶりに講習を受けたのですが、「あれ?」と思うことがありました。
火災事故・流出事故の増加原因
1995年から危険物を取り扱う施設での火災事故と流出事故は増加し続けています。その原因として講師の方が挙げていたのが「団塊世代の大量退職」。危険予知の知恵と技術の継承が途絶えたことが事故件数増加の原因であり、発生防止のために指差し確認などの「基本」に今一度たち戻りましょう、という内容でした。
で、引っかかったのは大量退職があった2007年と2012年の事故件数。大量退職のあった時に「事故件数が大幅に増える」となりそうですが、実際は2007年と2012年ではなく1995年から事故件数は増加しています。
1995年に何があったのか?
気になったのでネットで調べてみました。大きな出来事としては阪神大震災と地下鉄サリン事件。ただ、どちらも一過性のものですし火災・流出事故との因果関係もなさそうです。
原因になりそうな「製造業派遣」は2004年に解禁なので関係なし。
最後に残ったのがWindows95。ここからパソコンとネットが一気に広がりました。もし、パソコンとネットの普及で便利になり「ブラックボックス化」が進んだとしたら、危険予知は当然難しくなりますし火災・流出事故の増加原因である可能性はありそうです。
原因が違うと必要な対策も変わる
もし「Windows95」が原因なら、「従来の基本」に立ち返っても解決しません。実際に講習で毎年「指差し確認」を指導し続けても事故件数が増加し続けていることから、対策がずれている可能性はありそうです。この記事を読んだ方の中に権力者の方がおられましたら、取り入れていただけると嬉しいです。
伝えるときは、「数字」より「ストーリー」
さて、事故件数のグラフは講習当日もプレゼンで紹介されており、1995年から増加していることも講師の方は話していました。それでも「団塊世代の大量退職で技術継承が出来なくなったことが原因」と伝えるのは、その方が受け入れやすいからかなと思いました。
「数字から見てWindows95が原因だと推測する」というと屁理屈に聞こえます。それよりは「人」に焦点の当たったストーリーである「団塊世代の大量退職」の方がすんなり入ってきます。原因を読み取る際には数字は役立ちますが、伝えるときには「伝え方」を考えなあかんなと感じました。
火災事故・流出事故だけか
今回たまたま火災事故と流出事故の増加に気づきましたが、同様のことは他の分野でも当然ありそうです。これからは統計データを見るときに「1995年」に着目してみようと思います。
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