2016.5.11 水曜練

京都大学空手道部

 こんばんは、京大空手道部副監督の阿部洋太郎です。大阪市内の自宅でこの記事を書いています。昨日は水曜練に行ってきました。新入生は男子8名・女子5名の計13名。指導は副将の西川で、触り組手や残り30秒組手など新入生も楽しめるメニューを組んでくれていました。気になったのが体調不良で欠席した部員が何名かいたこと。暑かったり寒かったり変な天気が続いてますが、体調は大丈夫ですか?

戦術があると勝率は上がる

 先日後輩達に10項目のアンケートを実施したフォローで、戦術についてミーティングで説明しました。まず、戦略と戦術の違いについて説明。ざっくり言うと、戦略は大きな範囲で戦術は局所的です。例えば、「攻めて勝つ、守り切る」という方針や、そのための練習メニューを組む、必要な時間を確保する、・・・というのが戦略です。それに対して、残り30秒で1ポイント負けているときにどうするか?というように局所的な戦い方のノウハウが戦術。戦術なしで戦うよりも、戦術を知って戦う方が当然勝率は上がります。

 戦術を自分で一から開発しようとすると時間がかかります。でも、戦術・ノウハウは多くの先輩方やトップ選手によって既に作り上げられています。そして、そういう人が「どうやっているか」を書籍や上手い選手のビデオで調べると、一から開発するよりは手間が省けます。例えば、残り30秒で1ポイント負けていたら、3本くらい手を出して相手の逃避行為の反則を取り、下がれない状況に追い込んでから攻撃する。その時に、牽制の蹴りが来る可能性が高いことから、蹴り受け→攻撃 で決める形を作っておく。みたいなのが思い浮かびます。あとは実際の組手で使われているかを確認し、有効そうだったら練習で準備する。

 また、戦術を網羅するのは時間と工数が大量に必要になる。自分の試合で“よく起きる状況”に絞って対策すると効率がいい。まず1個、戦術を準備してみてください。それだけでも勝率は上げられます・・・

と言う内容を伝えました。

戦略と戦術だと、戦略の方が大事

 さて、私が大学生のときは「風邪引いたので練習休みます」と言うと監督の高木先輩から「風邪のときに強盗に襲われたらどうするんや?!」と指導されました。「風邪引いていても強盗に襲われる可能性はある」「強盗は風邪を引いているからといって手加減してくれない」「その時は戦わなければならない」「風邪引いた時に戦う練習はいつするのか?」「今でしょ!」という中身です。最初に聞いたときはびっくりして声が出ませんでした(笑)

 今は体調不良での欠席はOKになってますが、この違いは「戦略」の違いから来ています。当時の監督の高木先輩は「実戦で強くなる。そうすれば試合でも勝てる」という戦略でした。今の徳野監督は「試合で勝てるようになれば、実戦でも強くなる」という戦略。戦略の違いにより、風邪を引いた時の対応(戦術)は変わってきます。

 どういう戦略を選ぶかによって、どんな状況が生じやすいかは変わり、生じた状況に対応する方針も変わり、それに対して必要となる戦術も変わる。土曜日に戦略についても簡単に説明しようと思います。

自分が出来ているかどうか?

 さて、後輩に伝える時は毎回「自分は出来ているか?」という問いがブーメランのように戻ってきて突き刺さります。今回の「戦術・戦略」については、まだまだ全然レベルが低いです。知識も必要ですし、実践してフィードバックを掛けるという作業も不足してるなと反省しました。目的意識を持って取り組みたいと思います。

「望んでいること」「現状」「やり方」の3つが明確になると、不安は小さくなる。
 そして、「質問に答える」だけで「望んでいること」「現状」「やり方」の3つは明確にできます。
京都大学空手道部
スポンサーリンク
シェアする
阿部洋太郎をフォローする
くすぶっている人に自信を提供する。

コメント