2016.5.7 土曜練 -バネの使い方-

京都大学空手道部 道場 京都大学空手道部

 こんにちは、京大空手道部副監督の阿部洋太郎です。大阪市内の自宅でこの記事を書いています。昨日は土曜練に行ってきました。新入生は男子5名・女子2名の計7名。東大空手部OBの方も1名練習に参加してくれました。指導は主将の宮崎。ガードの空いたところに蹴りを出す練習や残り30秒1ポイントビハインド想定の組手など、意欲的なメニューを実施してくれてました。あなたはメニューを作る機会ありますか?

身体の使い方、鍛え方は、「それぞれの要素を向上させる」のが近道

 さて、先週「身体の使い方、鍛え方」(谷口道哉著)を読んで、「それぞれの要素を向上させるトレーニングをそれぞれやることが近道」という考え方に刺激を受けました(本の感想はコチラです)。で、まずは現状把握として部員にアンケートを取りました。

フィジカル:筋力、持久力、柔軟性
スキル:バネ、連動、研究開発
メンタル:目的意識、戦略、戦術
休息・ケア
の10項目に対して、0:知らない、1:向上する方法を知っている、2:取り組んだことがある、3:毎週取り組んでいる で解答してもらう、という内容です。集計結果が楽しみです。

 ただ、項目見ただけだと何のことか伝わらないこともあるので、1個ずつ説明して行こうと思い、まずは昨日のミーティングで”バネ”について説明しました。

目的意識の差が成果の大きさを変える

 スポーツでよく聞く「バネのある動き」ですが、本を読んで「実際に身体の中にはバネが入っている」ことを知りました。それが”じん帯”(アキレス腱とかひざの十字じん帯とかのアレです)。じん帯にはバネやゴムと同じように弾性(引っ張られると元に戻ろうとする性質)があります。弾性を上手く使うと「バネのある動き」が出来るようになります。

練習方法としては、スクワットジャンプのようなプライオメトリックトレーニングが適しています。京大空手道部では昨年から宮崎が練習メニューに取り入れてくれてました。やるときに大事なポイントは次の3つ。

1. じん帯の弾性を意識する:例えばスクワットジャンプであれば、最初に屈んだ時にアキレス腱と十字じん帯を伸ばし、ジャンプするときに弾性エネルギーを開放するイメージを持ってやると効果は大きくなります。

2. 自分に合った負荷をかける:みんなで並んでやると、ついつい比較してしまい「早く進まなあかん」とか思って雑になりがちです。そうではなく、「自分の能力を上げる」というところに集中するのが大事です。

3. 競技の動きに繋げる:空手の試合でジャンプすることはないため、「スクワットジャンプが上達した」だけでは試合で使えません。「弾性を使って足を伸ばす」という動きを、突きや蹴りにつなげて初めて効果が出てきます。そのためには、まず大きく反動を使って動かし、その後に小さな動きで使えるようにする。

 同じメニューをこなしていても、「ただジャンプしてるだけ」と「試合に勝つためにジャンプしてる」では当然成果は違ってきます。「今できてるかどうか見直してみて」と後輩達に伝えました。

勉強や仕事でも「考え方」は共通

 さて、1.何のためにやっているのか意識する、2.自分に合った負荷をかける、3.「目的」に繋げる、という3つのポイントは勉強や仕事にも生かせます。

例えば単語を覚える時、
1. 単語を覚えることで「どうなるのか、何が向上するのか」を意識する。
2. 自分に合わせた量を設定する。能力の向上に合わせて少しずつ増やしていく。
3. 試験問題を解くときに使えるか確認する。
というポイントを押さえておくと、「ただ単語を覚えようとする」に比べて効率は高くなります。

自分自身の生活も見直してみようと思いました。

「望んでいること」「現状」「やり方」の3つが明確になると、不安は小さくなる。
 そして、「質問に答える」だけで「望んでいること」「現状」「やり方」の3つは明確にできます。
京都大学空手道部
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