1回2回の失敗にめげずに行動し続けられるには何が必要?

 エリヤフ・ゴールドラット著「ザ・クリスタルボール」を読みました。TOC(制約条件の理論)の書かれたベストセラー「ザ・ゴール」のシリーズで、今作は小売業の課題である売上と在庫にフォーカスしています。中身も面白かったのですが、テーマとは別の所に意識が向きました。

売上予測は必要ない

 物語は家庭用品チェーン「ハンナズ・ショップ」ボカラトン店の店長ポールが、”利益率がこの地域の10店中8位まで落ちた”というレポートを手にするシーンから始まります。おまけに水道管が破損して地下倉庫が水浸しに・・・

 スペースがなくなったために、苦肉の策で在庫を20日分だけ残して残りは地域倉庫に返送。親友の倉庫マネージャーに融通してもらって売れた分だけ毎日補充してもらうようにしました。すると、在庫がなくなった分利益率が向上

 実際に売り切れになった商品は?じゃあ、もっと在庫を減らしたらどうなる?空いたスペースに今までなかった商品を置いたら?他店にも展開できる?・・・と、それをきっかけに在庫のあり方が変わっていき、店の売上・利益率は劇的に向上

 仕組みを応用して地域の10店舗にも適用し、更に全社に適用し、サプライヤーとの付き合い方も変わり、・・・というサクセスストーリーで、いろいろと気づくところがありました。

 ポイントとなったのが「各店舗で売上を予想して在庫を仕入れる」のを止めたこと
・実際に売れた量と仕入に必要な時間から在庫を設定する。
・末端ではなく大元に在庫を集める。
・売上予想は全体から出す。

読んでいて理にかなっているなーと思いました。

なぜ、現実にはできないのか?

 さて、この小説には実はコンサルタントが出てきません。働いていた人達が試行錯誤しながらイノベーションを起こす、という設定になっています。で、気になったのが「なぜ、現実には起こっていないのか」。

 水道管の破損は毎日ではないにしろ、ある程度の頻度では起きています。その他のアクシデントも含めて”スペースが減る機会”であれば、しょっちゅう起きている。

 なぜポールにできて、他の店長には出来なかったのか。

 気になったので読み直して考えてみました。で、私が出した結論は「答えを知っていたから」でした。

行動し続けられたのはなぜか?

 「こうやったら上手くいくかも」と思うことは誰でもあります。でも実際に行動に移せる人は少なく、1回2回の失敗にめげずに行動し続けられる人は更に少ないです。何かのきっかけで「在庫を減らしてみようかな」と考えたことのある店長はたくさんいるけれども、そのアイデアを基に行動し続けた店長はほとんどいない。それがたくさんの”ポール”が生まれてこない原因じゃないかと思いました。

 じゃあ、なぜポールに出来たかというと「上手くいく」という確信があったから。で、なぜ確信があるかというとポールがエリヤフ・ゴールドラット博士の分身で、「答えを知っていたから」。TOC理論の学びもありましたが、それよりも”確信を持って行動し続ける”という点が自分には重要だと感じました。

 「ザ・クリスタルボール」物語形式なので読みやすかったです。お時間とご興味のある方は読んでみてください。

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