「理科ってよく分からん」も、時系列で見ると分かりやすい

 こんばんは、自信コーチの阿部洋太郎です。大阪市内の自宅でこの記事を書いています。私は学生のとき理系科目が得意で「国語って何なん?」という感じでした。で、大学は工学部に進んでメーカーに就職したので「理科」は自分にとって当たり前の存在だったのですが、先日ある方から「理科ってよく分からん」と言われてちょっと目からウロコが落ちました。じゃあ理科って何なん?ということですが、こういう時は”歴史”を調べるとイメージしやすいです。今回もWikipediaとグーグルで調べてみました。

化学

 まずは化学から。化学の歴史は「金属の精製」から始まります。最初は青銅器、次に鉄。この時代は、勘と経験がモノを言う「職人の世界」でした。「製鉄」はヨーロッパからアジアにかけて広い範囲で発展していきます。(アフリカや南北アメリカでは発展せず、後のパワーバランスに影響しました。その当たりはジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」をお読みください)

 その後、アラビア・ヨーロッパを中心に「錬金術」ブームが起こります。「安価な金属から“金”を作る」という目的のために、真面目な学者も山師も詐欺師も様々な方法を試しました。ホムンクルス(人工生命)や不老不死もネタになり、無機から有機へと対象範囲は広がっていきます。錬金術は「金を作って金儲けする方法はない」という結論に至って下火になりましたが、それまでに蓄積された知見や開発された実験器具は、その後の発展の役には立ちました。

 「金儲けの手段」として、次にターゲットになったのが火薬の原料の硝石(窒素化合物)です。硝石は鳥のフンを南米から輸入して、火薬や肥料として利用していました。ただ、使用量が増えてくると値上がりしていきます。「空気中に大量にある窒素から窒素化合物を取り出す」という課題に多くの化学者・技術者が取組み、最終的にハーバー・ボッシュ法という合成方法が見つかります。(最初に商業利用に成功した会社がBASFで、現在世界最大の化学メーカーです。詳しくはトーマス・ヘイガー著「大気を変える錬金術」をお読みください)

 この時代(産業革命)に「職人の世界」から「資本家と労働者」に変わったことで、化学の世界も「勘と経験」から「科学」へと変化します。職人の育成には時間と手間とお金がかかる。じゃあもっと安く上げるには・・・ということで「数学」「物理」が導入されます。「誰がやっても同じ結果になる方法」というのがこの時代から重視されるようになり、今に至ります。

 その後「金儲け」のターゲットになったのは石油。アラビアで多くの油田が見つかり、高価な絹の代わりになるナイロンなど高分子化合物の合成方法が見つかったことで、「有機化学」が主役になっていきます。更に、金属などの「無機」から、炭素化合物を取り扱う「有機」に対象が広がったことで、次のターゲットとして「生物」に範囲が広がります。最初は治療や薬、その後は美容・若返り・スポーツ・・・。

 また、「化学」の発展に伴って生じた「環境問題」も研究の対象になり始めます。ただ、まだ「金儲け」の仕組みができてないので、今後どう広げていくかが課題になってます。

物理

 物理は最初「哲学」の一分野として始まりました。なぜ物は地面に落ちるのか。地球の成り立ちは。太陽や月はどういう風に動いているのか・・・。この中で「天文学」は航海技術に直結したため、多くの物理学者から研究対象にされていました。

 大きな変化があったのが17世紀。ニュートンが「微分積分」の考え方を物理に入れたことで、天文学の課題は解決しました。で、この時に見つかった「運動方程式」が弾道学(大砲の弾はどこに着弾するか)に応用されたことで、物理は「金儲けの手段」として広がりました。その後、蒸気機関の発明されたことから「永久機関」がターゲットになります。「永久機関は理論上できない」という結果に終わりますが、その過程で作られた「熱力学」は今でも車のエンジンやエアコン・製鉄・化学合成・・・と多くの用途に使われています。

 産業革命の次は「石油」という流れは化学と同じです。物理では石油の「エネルギー」としての利用に目を付け、それに代わる方法として「原子力」が花形になっていきます。その他にも「電気」「情報」とお金になりそうなところに今も広がり続けています。

生物

 生物も、最初は「哲学」から始まりました。人間と動物はどう違うのか? なぜ生命は誕生したのか? その後、大航海時代になって「移動できる距離」が伸びると博物学が発展していきます。また、顕微鏡が見つかると、それまで見えてなかったバクテリアや細胞の存在が明らかになり、「何なん、これ?」と当時の知識人達を悩ませました。博物学から着想を得たダーウィンの進化論、メンデルスゾーンが見つけた遺伝の法則、などもありましたが、「倫理」「宗教」が壁になります。「なぜ生命は誕生したのか?」という問いは、宗教とバッティングします。物理や化学に比べて「タブー」が多い感じです。(詳しくはメアリー・ローチ著「セックスと科学のイケない関係」をお読みください)

 当時のヨーロッパの科学者はほとんどキリスト教徒であり、「生物」の研究では多くの葛藤を抱えながら仕事をしていたと思います。そんな中で風穴を開けたのが「化学合成技術」の発達と「DNAの発見」。化学合成で香料・調味料・医薬品が作れるようになったことは、「金儲け」という大きなモチベーションを生み出しました。また、DNAの発見で「品種改良」が容易になったことも、「金儲け」に直結します。医療と品種改良に繋がったことで、「生物学」の発展もスピードアップして現在にいたっています。

「何か分からんけど、使える」が科学

 科学は「現実」が答えです。頭で考えた理論がどれだけ精密であっても、実際に「実現」できないと評価されません。例えばSTAP細胞。正しいかどうかは「モノができたかどうか」だけで判断されます。

 で、実はまだまだ「よく分かっていない」ことはたくさんあります。例えば「重力」。「なんで重力ってあるん?」というのは、今も多くの科学者が研究しています。「水」もよく分かってない部分が沢山あるものの一つです。そんな風に、身近なところにも「よく分からん」ことはあるのですが、その反面、分かっていることを使うだけで多くの「価値」が産み出されています。電気製品、衣類、天気予報、薬、・・・。で、「価値」が産み出されると「お金」もついてきます。ということで、今も多くの人が「科学者」としてお金をもらって生活しています。

 もうひとつ、お金が絡むと必ず登場するのが「うさん臭い商品」。水素水、ヒアルロン酸、宇宙エネルギー、・・・。「情報を見分ける」という観点でも、理科を学んでおくのは大事になります。

科目選択で悩んだら・・・

 最後に、科目選択するときの「選び方」に触れておきます。お勧めする選択基準は、
①希望する進路に必要な科目:「必要」があると勉強は進みます。
②興味の持てそうなもの:上の文章読んで「コレ!」というのがあったら選んでください。
③勉強しやすそうな科目:先生との相性がいいとか、得意な友達がいるとかだと、理解しやすいです。

 ちなみに、試験で計算する頻度は「物理>化学>生物」の順です。高校の範囲では、物理の方が体系だっているので「暗記」は少なくて済みます。地学は・・・取ってないのでよく分かりません(汗)

 「わかってくる」と科学は面白くなります。上の文章を読んで「まだよく分からん」という方は連絡してください(^_^)/

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