おはようございます、集中力トレーナーの阿部洋太郎です。今週木曜日に、高校生の時に解けなかった問題をふと思い出しました。図に書いたように「積み木が2個乗っていて、上にある積み木Aをヒモで引っ張る」という問題で、力の大きさによって「Aだけ動くか、Bだけ動くか、両方とも動くか」を答える、というモノです。まず思ったのが「ヒモを付ける位置を変えようよ」。なぜ下の積み木にヒモをつけないのか、理解に苦しみます(笑) ただ、試験では「ヒモの位置を変える」という選択肢はないですし、何となく解けそうな気がしたので真面目に解いてみました。
複雑なときは1個ずつ考える
さて、高校生の時は「まず物体に働く力を全部書き出して、運動方程式を書いて、・・・」とやっていて、何かよく分からなくなってました。でも「分けて考えたら上手くいくんちゃう?」と先週木曜日にアイデアが浮かびました。
まず、上図のようにAだけ考えます。物体に働いているのは、引っ張る力Fと摩擦力。引っ張る力が弱いときAは動きません。AとBの間の静摩擦係数をμA0、Aの質量をm、重加速度gとすると、F≦μA0 × m × gならAは動きません。力が(μA0 × m × g)を超えるとAは動き出します。
AがBの上を滑っていかないとき(F ≦ μA0 × m × g のとき)は、AとBは一まとめで動きます。で、ABが動くかどうかは地面との摩擦力とFの力関係で決まります。地面とBの間の静摩擦係数をμB0、Bの質量をM、重加速度gとすると、F ≦ μB0 × (m+M) × gならA,Bは動きません。F >(μB0 × (m+M) × g)になるとAとBはくっついたまま動き出します。
Aが動くとき(F > μA0 × m × g のとき)、BはAとの摩擦力で右に引っ張られます。その力の強さは、AとBの動摩擦係数をμA1して、μA1 × m × g。で、Bが動くかどうかは地面との摩擦力と(μA1 × m × g)の力関係で決まります。地面とBの間の静摩擦係数をμB0、Bの質量をM、重加速度gとすると、(μA1 × m × g)≦μB0 × (m+M) × gならBは動きません。(μA1 × m × g)>(μB0 × (m+M) × g)を超えるとAとBはずれながら動き出します。
ということで、
F≦μA0 × m × g かつ F ≦ μB0 × (m+M) × g なら、積み木は動かない
F≦μA0 × m × g かつ F > μB0 × (m+M) × g なら、AとBはくっついたまま動く
F > μA0 × m × g かつ (μA1 × m × g)> μB0 × (m+M) なら、Aだけ動く
F > μA0 × m × g かつ (μA1 × m × g)> μB0 × (m+M) なら、AとBがずれながら動く。
3個積みのとき
1個ずつ考えれば、3個積みになってもやることは同じです。
Aが動かない→Bが動かない→Cが動かない/Cが動く
→Bが動く→Cが動かない/Cが動く
Aが動く→Bが動かない→Cが動かない/Cが動く
→Bが動く→Cが動かない/Cが動く
それぞれの摩擦係数と力の関係から、8通りの結果が生じます。
ポイントは順番!
「高校の時に何で解けへんかったんかなー」と思い出していた時に、“高校生の時は地面から考え始めていた”ことに気づきました。下から考え始めると何かよく分からなくなります。それを上から考えるだけで、問題はあっさり解けました。力の伝わる順番で1個ずつ考えていく、だからヒモがついてるところから考える。複雑な問題で詰まった時は試してみてください!
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